子どもを産んでから母乳は自然に出ると思っていた。赤ちゃん自身も自然におっぱいを吸えるものだと思っていた。それはネットも育児本も母乳育児ありきの話しか目につくことがないから。
私が母乳を与えたいと思う理由として①赤ちゃんにお母さんから送ることが出来る最初のプレゼントだから②母乳をあげることで乳児突然死症候群を防げるからというのがあった。
だけど、私はおっぱいを辞めることにした。

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退院後の日々
入院中、赤ちゃんにおっぱいをあげる練習をしていく。おっぱいマッサージをするということやどのように赤ちゃんに飲ませていくかなど教えてもらった。
入院中はまだおっぱいは出ず。看護婦さんにも初産の場合すぐに出る人はいないからと言われ、そんなもんかと呑気に考えていた。
入院3日目におっぱいが少し腫れる。赤ちゃんに与えるもなかなか吸うことが出来ず搾乳して与えた。
退院後、おっぱいの腫れなど収まってしまったが、おっぱいを押せば母乳は出る状態。なので赤ちゃんに吸ってもらえればいずれ母乳は出るだろうと思っていた。
ミルクと並行に飲ませながら母乳をあげるようにしていったが、なかなか飲ませることが出来ない。赤ちゃんがなかなか吸うことが出来ないのだ。
練習していけばいつかはおっぱいを吸ってもらえるだろうと思っていても赤ちゃんはなかなか吸うことが出来ず。
10回に1回の割合でおっぱいを吸ってもらえるがそんな長く吸っていられないので、母乳の量も十分ではないのはあきらか。
赤ちゃんもだんだんおっぱいの存在に気付いてきたのか、授乳用の枕を準備しておっぱいを出そうとするだけで大泣きをしてしまうようになる。
吸わせようにも赤ちゃんは大号泣。パニックになったように泣いてしまう。小さい手で一生懸命おっぱいを押して「あっち行け~!」と言わんばかりに拒否反応を示す。
お腹も空くし、おっぱい吸えないし、赤ちゃん自身もパニックで仕方なかったのだと思う。赤ちゃんに吸ってもらえない私のおっぱいも日に日に腫れもなくなり妊娠前のようないつものおっぱいに戻ってしまった。
吸えないし出ないものを無理やりさせるのはどうなのかと思ってきた。
助産師さんや子育て経験のある人、ネットなどでは母乳が十分出るまでに時間はかかるし、赤ちゃん自身もきちんと吸えるようになるまでに時間がかかるから辛抱強くやらないとと言われるし書いてある。
どうしたものかとおっぱいマッサージはもちろん、搾乳機を購入し機械で無理矢理にも出すようにしたり(それでも30㏄が限度だった)、母乳が良く出るというお茶を飲んでみたり・・・それでのなかなか母乳は出ず、吸ってもらえず。毎日「なんでおっぱい吸ってくれないの?」と涙を流す日々。
母乳外来に行ってみるという手もあったが、もうその頃には気持ち的に疲れてしまっており、逆に母乳にこだわりすぎると自分や何よりも赤ちゃんを傷つけてしまいそうだと思った。
また、「私はダメな母親なんだ。おっぱいもあげられない。ダメなんだ…」と自分を責めてしまっていた。
授乳のたびに号泣し、パニックになっている姿を見ていると「ミルクを飲んでいても十分今まで育っている。この子は母乳じゃなくても元気に育っている。」と自分に言い聞かせるようになってきた。
実際私の兄はおっぱいを受け付けずミルクで育ってきた。だけど、ミルクだからって関係なく元気に育っている。
母乳で育てているの?
日本では母乳育児をしている人が77%だという。残りの23%はミルクかミルク中心の混合育児とかなんだという。
海外での授乳事情
日本では母乳を推奨されている。海外でもこんなにみんな母乳で育てているのかと気になり少しだけ調べてみた。
BRAVA参照 https://brava-mama.jp/2015121177076/
<フランス>
ワーママが多いフランスでは、なんと母乳で育てたいと思う人は少数派。ほとんどの人は最初の時期だけ「記念」のような気持ちで授乳はするものの、退院後はすぐに粉ミルクに切り替えるそうです。
長い人でも授乳は3ヶ月ほどでおしまいです。日本では母乳は赤ちゃんの免疫を高めるために母乳を推奨、と指導されているので、フランスの赤ちゃんは大丈夫なの?と少し心配になるかもしれませんね。
<アメリカ>
最近、アメリカでは母乳育児が推奨されているようですが、その浸透度はとても低いものです。
完全母乳のママは10%、母乳をちょっとでもあげるという人は7割未満という数字です。アメリカでは調乳不要でそのままあげられる液体ミルクが売られているので、ミルク子育てはとっても便利。ママ世代もミルクで育てられた人が多いためか、はたまた液体ミルクがあまりに便利すぎるのか、産院で推奨されても母乳育児は増えないんだとか。産院の指導をきちんと守る人の多い日本とはまったく逆ですね。
<中国>
中国では出産後にママがすぐ働きに出るのが普通のこと。そのため、おばあちゃんなど、誰かに子どもを預けて働きに出る人が多いので、必然的にミルクが主流になります。しかし、中国の粉ミルク汚染問題も影響してか、母乳の効果の見直しが進んできているんだとか。もしかしたらこれから母乳育児にする人が増えてくるのかもしれません。
というように海外ではなっていた。少しだけ救われた気がしたが、日本では母乳が赤ちゃんの免疫を高めるために推奨されており、絶対的なものとされてるような気がする。
だけど言いたいのは、私自身も母乳の素晴しさは十分理解している。
その中でも母乳・混合・ミルクと様々な選択肢があるし選択させてほしいということ。
赤ちゃんがおっぱいがなかなか吸えないことで母乳も出なくなってしまう。
自然とミルクでの育児をしなくてはいけないことになった。
そんな中でよく聞かれる言葉「母乳で育ててるの?」
そこで「ミルクです。」と答えると必ず返ってくる返事「なんでミルクなの?」「母乳なんで出ないの?」などポジティブにとらえられない言葉の数々。
事情を話をしても「昔は粉ミルクなんてなかったのよ」とか「母乳がいいに決まっているじゃない」とか「努力が足りない」など平気で言われる。
そこまで言われないにしても表情や反応などでポジティブに受け入れられていないのだなと感じる。
その質問と反応だけで日々ストレスがたまる。そもそも、母乳推奨しているというのであればなぜわざわざその質問をしてくるのか。
何飲んで育っているかなんて赤の他人になんで言わなきゃいけないのだろうか。
ミルクと母乳。そこで子どもの成長にどんな差があるのだろうか。
母乳の方が免疫力が付くので推奨されているというのは十分理解できる。私も母乳が出たら母乳育児にしていたと思う。とはいえ、全く選択肢がなく1つの選択だけがすべてとしてとらえられてしまうのは悲しい。
ミルクで育てていると答えた時に返ってくる反応で誤解を解きたい。
ミルクで楽していない?
母乳でおっぱいを引きちぎられたり、おっぱいがカチカチに張りながらも授乳するのが母としてやるべきことと思っているのかもしれないが、ミルクにしたからって育児が楽になることなんてない。
お腹がすいて赤ちゃんが泣いたとき、おっぱいだったらすぐにあげられるかもしれないが、ミルクはいちいち哺乳瓶に必要な量の粉ミルクとお湯を入れて冷ましてとしなければいけない。そのミルクを作ってる横で赤ちゃんがまだかまだかとお腹を空かせて大号泣をしているのだ。
また、使った哺乳瓶をきれいにして煮沸してなどやることがそれだけでも増えていく。粉ミルク代だってバカにならない。赤ちゃんと出かけるにしても哺乳瓶やお湯、冷まし湯など荷物はとても多い。リュック必須。
これのどこが楽なのだろう。
お母さんの栄養が赤ちゃんに行くのに~。
今の時代、ミルクも母乳に近い栄養価で作っている。お母さんの栄養=免疫力というのであれば、ミルクで育った人は病気になりやすいということなのだろうか。私は母乳、兄はミルクで育ってきたが、ともに大きな病気はせずに今まで成長出来ている。しかも生後2か月から予防接種も始まる中でそんなにもミルクと母乳で栄養差が出てくるものなのかとも思う。
母乳の方が赤ちゃんへの愛着も生まれるのに~
どういう意味?!と聞き返したくなる。ミルクじゃ、愛情もって育てちゃいけないのかと言いたくなってしまう。トツキトオカお腹で一生懸命育て、お腹を痛めて産んだのに、宝物でしかないのにミルクかどうかで愛情がそんなに変わるのかと思ってしまう。

何度でもいう。母乳による栄養価や免疫力など十分理解している。とはいえ、母乳と同等の栄養価で作られている粉ミルクでも十分子どもは育っている。
母乳・混合・ミルク…お母さんや赤ちゃんに合う形で育児をし成長できる選択肢があり、それを受け入れてくれる環境が広がったらいいなと思う。
私は二人の子育てはミルクでした。母乳のでないのはストレスらしい、と私が言うと、ミルクの人はそう言う。と、言い返されましたが、私の胸内は母乳だったらどんなにか経済的だろうなぁ と、思ったものです。当時 50年前、娘はミルクを飲むと吐いてしまうのです。懐かしいですね。
[…] おっぱいを辞めた。 […]