今、外出自粛の中で私は育児の隙間で漫画を読み漁っている。
その中で、私的にオススメしたい作品を何点かあげてみよう思う。
もし、興味を持ったものがあれば、この外出自粛中に読んでみてほしい。
Contents
あせとせっけん

山田金鉄さんの作品。
あらすじ
女性に絶大な人気を誇る化粧品&バス用品メーカー会社に勤める八重島麻子は重度の汗っかきがコンプレックス。そんな中、商品開発部の名取香太郎に新商品開発のために汗をかがれてしまう。そんな出来事をきっかけに2人の関係が始まっていく。
おすすめポイント!
とにかく、胸キュンな場面が多い。主人公の麻子は汗っかきというコンプレックスがあるが故に自分に自信がない。そんな彼女が名取香太郎と出会うことで少しづつ自分に自信がついていく。
名取香太郎と麻子のやりとりがとにかく可愛い。お互いがお互いをきちんと尊重している姿にもどかしさもあり、しかし結果的にハッピーになれる。
私もそうだが、自尊感情が低い人間からすると、人間関係も仕事も少し諦めてしまうところがある。麻子の自尊感情の低さは「わかる、わかる~」と共感してしまう。そんな中、名取香太郎という、会社のNo1商品を作り上げたスクールカースト上位にいそうな男性に近づいてこられると、「私なんかでいいのだろうか、邪魔していないだろうか...」というように不安になってしまう。香太郎はそんな麻子にゆっくりと向き合いながら付き合っていく。その姿にも読者は胸キュンなのである。
そして何よりも主人公たち以外の脇役の人たちもこれでもかというぐらいいい人たちなのである。
個人的に恋愛漫画には必ず嫌~な感じのライバルや脇役がいると思うが、この漫画に関してはそんな人たちはいない。そこも私的に安心して読める理由でもあるのだ。
何も考えずキュンキュンしながら読める作品である。
夫の扶養からぬけだしたい

ゆむいさんの作品。
あらすじ
専業主婦のももこは出産・育児を機に漫画家を目指す。一方で収入がないことに引け目を感じ、言いたいことも我慢している日々。若干のモラハラ感ある旦那にはなにも理解してもらえず、すれ違いの日々と夫婦関係が描かれている。
おすすめポイント!
女性の多くが出産をすると育児に専念するために仕事をセーブしなくてはならない。おのずと、旦那さんの稼ぎだけで生活をするようになる。
それでも十分に満足した生活を送られている人はいるだろうが、中にはモヤモヤとした生活を送ってしまう人の理由の1つには旦那さんに差があるのではないかと思っている。
日本はまだまだ男は仕事で女は家庭を守るのが良しとされている流れがあると思う。
この漫画は主人公のももこと同じ目線に立ってしまうため、どうしても旦那さんである”つとむ”がとにかくムカツク。つとむはつとむなりに家族のことを思って仕事をしているのだが、それが全く伝わってこない。
読者としては両者の立場で描かれているので2人のすれ違いが分かるのだが、本人たちはもちろん分かっていない。が故にすれ違ってしまう2人にももどかしさも感じながら、でも実際にこのような状況の家庭がたくさんあるのだなとリアルさも感じるのである。
ももこは離婚前提で子どもと2人で生きていくためにまずは夫の扶養から外れるために必死に働いていく。では、子どもにとっては・・・?
私もパートナーの扶養の元生活している身としてパートナーのお金で生活することに負い目を感じることがある。もし独身時代と同様に自由に使えるお金があれば、対等にパートナーともっといろいろ話しながら家事や育児が出来るのだろうかと思うこともあるのだ。
ももこが最終的に決めた家族の在り方はどうなったのか。ぜひ読んで確認してほしい。
うちの息子はたぶんゲイ

おくらさんの作品。
あらすじ
お母さんの目線で描かれるほっこりする家族物語。
夫は単身赴任中で、息子2人と3人で普段暮らしている。とても性格の良く優しい息子たちと日々楽しく暮らしている。
少しお母さんが気になることと言えば、高校生の長男がゲイなのではないかということ。長男本人はそのことを一生懸命隠そうとしている。しかし、嘘が付けない性格故、バレバレ・・・・。
「うちの息子はたぶんゲイで、素直でとっても可愛いのだ。」
というお母さんの一言からたくさんの愛情を感じ取れる物語である。
おすすめポイント!
私的、おすすめNO1!
母親・父親になった人、これから母親・父親になる人、母親・父親に将来的になりたいと思っている人は読んで損はない作品だと思っている。
今さまざなな場面で話題になるLGBT(レズ・ゲイ・バイセクシャル・トランスジェンダー)。
ドラマや映画、ドキュメンタリー、本などLGBTを取り上げたものが様々なところで注目を浴びている。会社の研修などでもわざわざ講座など受けている。
嫌味を一つ言えば、研修しないと理解できない人、研修しても理解できていない人がまだ多くいるのである。LGBTに関してはまた後日話をするとして、作品のおすすめポイントに戻りたいと思う。
この作品はLGBTを取り上げた映画や漫画などの作品と違うのは、目線が”お母さん目線”であるということである。
よく目につく作品としては主人公が当事者であり、周囲の偏見や視線、カミングアウトするのか悩みつつ、前を向いて歩いていくというのがスタンダードの物語として見かけることがある。人によってはBL(ボーイズラブ)をそういうものとして見る人もいるだろう。
この漫画のお母さんはゲイである息子という目線より、愛おしい息子の好きな人が男の子なんだなという認識で物語が進んでいく。
息子自体もとても優しくて素敵な青年。嘘が付けない素直な子。だからこと、好きな男友達とのやり取りに一喜一憂している姿に読んでいる読者も息子のお母さんもほんわか、ドキドキしているのである。
好きな子が男の子でなければ至って普通。
LGBTでカテゴライズしているが本来、カテゴライズするのもおかしな話である。
また、話の中で普段単身赴任しているお父さんがいる。
このお父さんは自分の息子が”ゲイ”なんて頭の片隅にもないのだ。
思春期に男の子は女の子に興味持って当然、将来の孫が楽しみだななど「男とは何ぞや」を押し付けてくる。
男を押し付けてくるお父さんに対して、しどろもどろになってしまう息子。その息子を「あなたはありのままでいい」と包み込むお母さん。
読んでいると「ちょいちょいお父さん・・・ちょっと・・・」と思ってしまうのであるが、そのお父さんの反応は未だに数多くの人々が持っている価値観であるのだ。
世間でどのくらいLGBTの話が浸透しても結局「まさか自分の子どもがね。」となるのだ。
この漫画を読んで、いざ、自分の子どもが同性を好きになった時、はたまた、生まれた性に違和感を抱いていたらあなたはどんな反応をするだろうか。
お母さんの立場を自分に置き換えてぜひ読んでほしい漫画である。
お母さんの温かさと愛情の深さに心が温かくなる漫画である。
コタローは一人暮らし

津村マミさんの作品
あらすじ
アパート清水に突如コタローという4歳の少年が引っ越してきた。コタローは4歳とは思えない昔ながらの口調と立ち振る舞い。身体は子ども頭脳は大人なのかと思ってしまうほど。
しかも1人暮らしを始めるのだ。アパートの隣人たちとの交流をしていく中でコタローの過去が少しずつ明らかになっていく。
おすすめポイント!
私的、涙腺崩壊NO1!!!!!
絵のタッチが可愛かったり、話もコメディーで描かれているので、ただの不思議な少年コタローのほんわかコメディー漫画かと思いきや、話を進めていく中で、コタローの真実がみえていく。その真実がみえていくとコタローの行動、口調の意味が分かっていく。分かった瞬間、涙が止まらないのだ。
なぜ、1人で暮らさなくてはいけないのか、コタローはなにを待っているのか。
救いはアパートの住人はじめ、周囲の大人たちがこれでもかというぐらいコタローを好きでいてくれて、親切であること。
読んでいるともっと痒い所に手が届くくらい助けてほしいとコタローの周囲の大人たちにすがりたくなってしまう。しかし、それはできないのだ。なぜなら結局は他人だから。そのもどかしさも読んでいてモヤモヤしながらも笑いあり、涙いっぱいの漫画である。
この漫画はあまり多くを語らず、まずは読んでほしい。
一言いうとしたら、「子どもはどんな親でもお母さんが一番好きである」ということである。
子どもがいる親は読み終わったあと我が子をそっと抱きしめてほしい。
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